
もともとの古民家は、母屋の前に平屋の居住スペースがありました。飛騨によくある古民家スタイルです。


『ゆったりと二世帯で暮らしたい』と、お施主様からのリクエストがありました。そこで、平屋部分を解体し、新たに二階建てを増築することに決定。

天井を取り除くと、立派な梁が現れました。この重厚な構造体を活かしながらのリフォームは、職人の腕の見せどころです。

柱の少ないゆったりスペースが出現!太い材を使った古民家ならではの演出です。薪ストーブの炎をみながら、ゆったりした時間の流れも楽しめます。火の周りには自然と家族が集まり、団らんが始まります。

こだわりの扉は、毎日の生活を楽しくします。

古民家の佇まいを残しつつ和風モダンな仕上がりになりました。

無駄を省いたスッキリとしたデザインが風景に溶け込んでいます。

飛騨市古川町。岐阜の最北端に位置し、自然豊かな地域に明治
3年築の古民家『吉城の郷』があります。

『吉城の郷』は、敷地面積800坪の広大な敷地内に母屋、離れ、茶室や縁側、日本庭園を持つ、伝統ある日本家屋です。
その『吉城の郷』内には、イタリアン・ゲストハウス・アートギャラリー・資料館等が集っています。

古民家ならではの、現代建築ではあまり使用されない太い梁や柱の構造、独特な色合いが特徴です。昔ながらの落ち着きと味わい深さを感じる佇まいです。

かまどや囲炉裏も当時のままに保存されていています。どこか懐かしく、あるいは新鮮に映る空間が現代に蘇る古民家の魅力のひとつです。


吉城の郷の母屋の一角にあるのが、飛騨牛の朴葉味噌焼き定食をメインとしたお食事処『蔵助』です。

店内には古民家の良さを感じながら、郷土の味を堪能できる趣向が随所にちりばめられています。

ゆったりとした空間で、さまざまなイベントを開催し、飛騨の方々との交流の場として好評を得ています。

飛騨の地酒を12蔵から取り寄せ、郷土料理と地酒の飲み比べができます。飛騨の食と住まい、生活文化の深さに触れることができます。


古民家にピッタリの小物たちが、落ち着いた雰囲気をさらに居心地の良い空間にしてくれています。
古民家の仕切りを取り払い出現した大空間から庭園を眺め、ゆったり、まったりすることができます。

随所に現れた古民家の魅力と、先人の技の数々に思わず感動いたします。現代建築では体験できない空間です。

見せ所の一つに、手斧や釿(ちょうな)で荒削りされた角材をそのまま意匠として使っています。古民家に合わせ現代の材料も同じ手法で加工することで違和感なく楽しんでいただける空間に仕上がりました。

一階と二階を吹き抜けで続けた空間にすることで、さらに広さを演出しています。外観から想像できない広々とした空間が屋内に広がっています。
